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グループホームかえで

 この建物は、認知症の高齢者に対応した2つのユニット(1ユニット9名)18名定員のグループホームです。設計主旨は、いわゆる施設ではない「親しみやすい」普通の住まいの空間を創ることにあります。

「住宅らしさ」家庭的な暖かさが感じられる住まいの質と安全性の確保に重点を置いています。
 建物は各個室、所要室の形を外部にハッキリ表し、あたかも戸建て住宅が寄り集まった「village;村」をイメージしてます。

これにより大規模施設といった感はなく、隣接の住宅地に馴染む建物となり、良好な住環境づくりに寄与すると考えます。外壁の仕上材は、コンクリートの上に唐松板を南京下見で張りました。これは高齢者の方々が、親しみやすさや懐かしい原風景のイメージを想起することを意図してます。

 各ユニットは同様な構成ですが、各々独立しており、スタッフの所要室を挟み連結してます。個室はすべて南面採光とし、和を形成するように中庭を囲むレイアウトです。個室3室に対し、車いす対応トイレを1室用意してます。

内外の色調は明るい暖色系を基本とし、主な仕上材には木、和紙、布などの自然素材を多用しました。内部の木枠や建具には、主に松を使用しており、時間経過に伴う赤みの増加がさらに暖かみのあるインテリアになることを期待しています。

建具などの高さは高齢者の低い視線を意識して1.8mを基準とし、全体的に低めのスケールに押さえ、広がりと親しみやすさが増すことを意図しています。

中庭は、木製デッキを敷き、食堂、和室、廊下と連続しており、段差無しで戸外の生活が安心して楽しめるようにしました。ここは外部のリビング、ダイニングとして様々なプログラムによる活用を意図しました。

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写真;堀内広治